康李 OFFICIAL BLOG

Kouri-康李-(ギタリスト)

V系卒業について

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いよいよライヴまであと10日になりました。

6年振りのライヴです(以前、7年振りのライヴって書いてたけど、6年振りの間違いでした)。

久し振りの出演だから、今は珍しく緊張しています。

まぁ、本番になったら緊張より楽しみが勝つだろうけど!

 

度々言っているように、この日のライヴをもってヴィジュアル系というフィールドから卒業します。

ヴィジュアル系V系、といった肩書きは今後なくなります。

この卒業について、色々言われているという話は聴いているので、ちょっと僕の口から言及しておきます。

 

中学生の時にバンドをやりたいなぁと思って楽器を始めたり曲を作り始めたりしたわけですが、ヴィジュアル系をやろうという気持ちは当時から実はありませんでした。

と言うより全く意識してなかったというのが本当のところです。

好きなバンドがヴィジュアル系と呼ばれるバンドが多かった事と、化粧に昔から興味があって、音楽をやる時にはそういった格好をしたいと思っていたので、自然とそう分類されたのだと思います。

僕の持論ですが、何系の音楽かとかは聴いた人が決めれば良いと思っていたので、特にその件に関しては自分から否定も肯定もしていませんでした。

極端な話、ダークでヘヴィーな音楽をやっていても、聴いた人が「アイドルみたいだな」と思えば、その人の中ではそのバンドはアイドル系に分類されるわけです。

なので、その辺は聴いた人、観た人が決めれば良い事かなぁと思っておりました。

 

ただ、自分がGLOOMY SKYというソロのようなバンドのようなプロジェクトで1年間活動した時、ほぼほぼV系イベントからのみの出演依頼しかなく、それが嫌だというわけでは全くありませんが、違うイベントにも出てみたいなと思っていた部分がありました。

なので途中からメイクも辞めたり普段着のような服でライヴに出たりした事もあったのですが、何も変わらず。

何となくそんな違和感を抱えていたのですが、ある後輩のライヴを観に行った時にV系ではないイベントで色々なバンドが出ていて、こういう所の方が自分のやりたい事に合っているのではないかなと思いました。

 

というのが端的な理由なのです。

ですが、そういった所でやりたいという気持ちと同時に、V系を辞めたいと思った理由もあります。

しばらくV系のライヴイベントには出ていないので(と言うよりライヴ自体に6年間出ていなかったので)、今はどうか分かりませんが、僕がV系のフィールドにどっぷり浸かっていた頃、割りと制約がうるさかったんですよね。

特に男女関係はタブーだったりもしたし、アレをしちゃいけない、コレをしちゃいけない、こういう発言をしたらいけない、〇〇と絡んだらいけない、とかね。

とにかく多かったんです。

郷に従う、という考えは理解しているので、色々我慢はしていたのですが、ある時にそういったうるさい決まり事による被害が僕の周りの人にまで及んだ事がありました。

今さらこの時の事を詳しくは書きませんが、自分だけの問題だったら自分が我慢すれば良いと思えるのですが、周りの人に被害が及ぶのは違うんじゃないかなと。

そういったモヤモヤもありました。

さっき言った後輩の出ていたイベントとかを観ると、そういった制約がなく、自由に見えました。

どちらが健全なフィールドかって言えば、言うまでもないですよね。

こういった出来事があり、V系から離れたいという気持ちが段々と強くなっていきました。

 

GLOOMY SKYをやってから、バンド界での人付き合いの幅も広がったのですが、そこも良くも悪くもでした。

どんな業界でも、裏側は汚いと言われるものですが、自分が直面したV系の裏側は綺麗なものとは言えなかったです。

今もあるのか分かりませんが、僕がやっていた頃は繋がり交換みたいなものが裏で結構ありました。

バンドマンと付き合いたいという女の人に対して「知り合いのバンドマンを紹介するから、そちらも知り合いのアイドル(あるいは女性バンドマン)を紹介して」といった事だったりが行われている場面は結構目にしていたし、僕も持ち掛けられた事があります。

紹介してほしい人同士を紹介し合うのならお互いウィンウィンなので良いと思いますが、自分の周りにはそういった人がいなかったので、全て断っていました。

ほんの一瞬、自分が所属していたバンドに勢いが出て来た時、気付くとそういう目的の人が周りに多くなり、「〇〇のバンドのメンバーと繋がりたいからバンドのスタッフをやらせてくれないか」という依頼が来る事も何件かありました(全て断りましたが)。

名前は伏せますが、あるガールズバンドの後輩にV系が好きな人がいたのですが、最初は良きバンド仲間だったけれど、ある時に事務所に所属したらしく、「〇〇のライヴにタダで行けるようになった」、「〇〇と楽屋で話せた」、といった事から始まり、「〇〇とも繋がりたいんですけど、ツテありますか?」とか「もっと売れてテレビとかにも出たいから芸人とも繋がりたいんですけど、知り合いに芸人いませんか?」といったような要求も増え、そういった人間関係に辟易した部分もありました。

 

あと、昔は特にV系は上下関係が厳しく、それ自体はとても良い事だと思いますが、中にはそういった先輩という立場を利用して来る人もいます。

僕より1年ぐらいキャリアが長い先輩の女性がいたのですが、ある時その人が付き合っていた彼氏と倦怠期になったらしく、「女の子何人か用意するから、彼女いない男何人か集めて会を開いてくれ」と合コンを強要された事もあり、先輩の頼みだから断れないし、といったような面倒な事も当時は多かったです。

そういう人間関係に嫌気が差したのも大きな理由です。

 

V系を辞めたいという事に対して批判的な声があるというのは、先にも書いた通り人から聴いております。

バンギャさん、と呼ばれる方達からしたら、自分が好きなものを辞めると言われる事に対して面白くない気持ちが出るのは何となく理解できます。

ですが、こういったような背景があるという事です。

1度V系で活動したから辞めたらいけない、なんてなったらそれこそカルト宗教みたいなもんです。

V系はそういうものではなくあってほしいです。

あと、批判的なバンギャさん達は、どうかその時間を僕みたいなV系を辞める人間ではなく、これからもV系として頑張っていく人達への応援に使ってほしいです。

 

V系の音楽は今も大好きだし、世界に誇れる文化だと思います。

なので、今後は外から応援していきたいと思います!

 

また、V系という肩書きはなくす為、V系オンリーのイベントには今後は基本的に出演しない意向です。

が、化粧をやめるわけではないし、その辺はやりたいようにやる事に変わりはありません。

not V系のイベントに行くと、バリバリな化粧をしているのにV系という扱いじゃないバンドも沢山います。

なので、フィールドを変えるだけです。

あと、V系の人とは一切対バンしません、とかそういったNGを出すわけでもありません。

お世話になったV系の方の主催に誘われたりしたら、その時は臨機応変に対応したいと思うし、一切関わりをなくすわけではないので。

その際は、できるだけの協力はしたいと思います。

ヴィジュアル系アーティスト」として自分が紹介されたら否定はするし、しばらくは意識的に今までとは違うフィールドを追う事になるとは思いますが、V系の人達がいる場所には出ない、といった事ではありませんので。

V系だから嫌、とかではなく自分がV系でなくなる、というだけの事です。

 

12月10日(日)、浦和ナルシスという思い出もある会場で、たつやさん、たむらさん、光さん、タケさん、といった良いメンバーさんと共にライヴができる事、とても光栄に思っております。

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ゾルディック家はこの日限りのバンドだけど、僕がV系を名乗るのはこの日が最後。

今できる限りを詰め込めるだけ詰め込みます。

メンバーも、華々しく送り出します、と言ってくれたので、その日観てくれる人達含め、感謝の気持ちを込めて歌います。

ボーカリストとしても最後だし、今後の展開も色々考えてあります。

そこに向かえるよう、悔いなくV系最後のステージを披露致します。

 

浦和ナルシスでお会いできる事、そしてそこから先の活動の場でもお会いできる事、楽しみにしています。

よろしくお願い致します。

 

キルア(この名前も来年から変わります)